川西市ガバメントクラウドファンディング/プレゼン発表会の支援、指導

 

川西市ガバメントクラウドファンディング発表会:3つのビジネスプランが描く未来

こんにちは、プレゼンプロデューサーの東大悟です。

今回は、川西市が主催するガバメントクラウドファンディングの発表会におけるプレゼンテーション支援について、その経緯と成果をお伝えしたいと思います。

https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/business/syokogyo/1012406/1019824.html

(川西市サイト:市によるクラウドファンディングを活用した社会起業家支援事業)

 

ガバメントクラウドファンディングとは

まず、ガバメントクラウドファンディングについて簡単に説明しましょう。

ガバメントクラウドファンディング(GCF)とは、自治体がふるさと納税制度を活用して、地域課題や社会課題の解決のために寄付を募る仕組みです。
 
【特徴】
  • 1.寄付金の使い道を具体的にプロジェクト化しているため、寄附者の意思を反映しやすい
  • 2.すべての寄附がふるさと納税の対象となるため、税制上の優遇を受けることができる
  • 3.従来のふるさと納税よりも具体的な使い道を示すため、寄附者にとって透明性の高い寄附体験を提供できる
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  • ⋯などの特徴があります。
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川西市では「みんなが交流し賑わいが生まれる川西をつくる」という目標に向けて、地域課題解決に挑戦する事業者を支援するために、この制度を導入しました。

 

厳選された3つのビジネスプラン

令和6年8月から9月にかけて募集が行われ、14件の応募がありました。10月の一次審査、12月の二次審査を経て、最終的に3つのビジネスプランが選定されたようです。その3つの事業者は、今回の発表会でプレゼンテーションを行う権利も得たということになります。

 

1. 一般社団法人Sasabase:「笹部発!多世代寺子屋~教育と観光の融合 里山エデュ・ツーリズム事業」(最優秀賞)
2. 株式会社SY’sD:「農地を蝕む竹を炭に変え土壌改良!川西市の名産ニンニクを作ろう事業」(特別賞)
3. 株式会社あづま商事:「地域人材活用による高付加価値な空き家管理サービスの実施事業」(優秀賞)

 

プレゼンテーション支援の内容

今回、私は、これら3つの事業者のプレゼンテーションをトータルでサポートする機会をいただきました。各事業者に対して、合計6時間の個別セッションを行いました。その内訳は以下の通りです:

 

1. ビジネスプラン審査を終えた内容を元に構成を練る(2時間)
2. 構成を元に資料の骨子を作成(2時間)
3. 完成した資料を使ってのデリバリー(話し方や魅せ方)の指導(2時間)

 

限られた時間の中で、各事業者の魅力を最大限に引き出し、聴衆の心に響くプレゼンテーションを作り上げることが私の役目でした。

 

発表会当日の様子

そして、3月26日(水曜日)、アステ市民プラザ アステホールにて発表会が開催!予定の定員50名を大幅に上回る80名近い方々が集まり、会場は温かい熱気に包まれていました。担当課の産業振興課の方々も来場者の多さに嬉しさを隠せないようでした。

 

各事業者の持ち時間は15分。この中に入れ替えの時間も含まれるため、実質的なプレゼンテーション時間はさらに短くなります。限られた時間の中で、いかに自分たちのビジネスプランの魅力を伝えるか。そこに私たちの工夫が詰まっています。

 

興味深いのは、市長も壇上でプレゼンテーションを聴くスタイルだったことです。これは、行政と民間が一体となって地域課題に取り組む姿勢の表れだと感じることができました。

 

プレゼンテーション後には、参加者による「応援」の意思表示がありました。前列約30名に配られた「応援したい」カードを上げてもらうのですが、3事業者ともほぼすべての方がカードを上げていたのが印象的でした。これは、プレゼンテーションが成功したことの何よりの証だと思います。

 

各事業者のプレゼンテーション

それでは、各事業者のプレゼンテーション内容と、支援のポイントについてご紹介します。

 

1. 一般社団法人Sasabase「笹部発!多世代寺子屋~教育と観光の融合 里山エデュ・ツーリズム事業」

Sasabaseさんの事業は、川西市笹部地区の豊かな自然と歴史を活かし、教育と観光を融合させた新しい形の地域活性化を目指すものです。

 

プレゼンテーションでは、以下の点に注力しました:

 

– 笹部地区の魅力を視覚的に伝え、聴き手が自分ごとで考えられる写真の活用
– 多世代交流の具体的なイメージを描くわかりやすい魅せ方
– 事業の社会的意義と経済的可能性のバランスの取れた説明

  • – プレゼンターの想いがしっかりと乗るための表現方法
  •  

支援のポイントは、地域の魅力を外部の人にも分かりやすく伝えること、そして教育と観光という一見異なる分野の融合の意義を明確に示すことと、私もSasabaseに行ってみたい!と思わせて、共感させるプレゼンを作ること!

 

2. 株式会社SY’sD「農地を蝕む竹を炭に変え土壌改良!川西市の名産ニンニクを作ろう事業」

SY’sDさんの事業は、地域の課題である竹害問題を、川西の特産品開発と結びつけて解決しようという斬新なアプローチです。

 

プレゼンテーションでは、以下の点を重視しました:

 

– とにかくプレゼンターがまず楽しめる内容
– 散らばっている社会課題・解決と商品開発のきっかけを分かりやすく!
– 竹炭とジャンボにんにく栽培がもたらす具体的なメリット

  • – なぜこの事業を?をわかりやすく、そして社会的な意義を伝える!
  •  
  • 支援のポイントは、初めての事業プレゼンをどれだけ楽しめるか。とにかく一人でも多くの人に理解してもらうためにストーリーを語り、楽しんでもらい、論理的かつ感情的に伝えること!

 

3. 株式会社あづま商事「地域人材活用による高付加価値な空き家管理サービスの実施事業」

 

あづま商事さんの事業は、増加する空き家問題に、地域の人材を活用して取り組むというものです。

 

プレゼンテーションでは、以下の点に焦点を当てました:

 

– 川西市の空き家問題の現状と将来予測をできるだけ自分ごとで考えてもらう
– 地域人材の活用がもたらす多面的な効果の説明
– サービスの具体的な内容と、それによって解決される問題の明確化

  • – 地域や自治体が楽しみながら出来るんだ!という魅せ方
  •  
  • 支援のポイントは、地域人材で空き家管理?という、まだ実感わかない事業をどれだけ自分ごとに置き換えて、社会的意義と、地域コミュニティの活性化につながる可能性を印象的に伝えられるか!できる限り、シンプルに!小学生でもわかる言葉で!

 

プレゼンテーション支援の成果

3つの事業者のプレゼンテーション。どの事業も単なる利益追求ではなく、地域の課題解決に真摯に取り組む姿勢が明確に伝わってきたことです。これは、ガバメントクラウドファンディングの趣旨にも合致するものでした。前述した「応援」のプラカードが上げられた事だけ取ってみても、大きな成果だと思います。

 

特筆すべきは、発表会終了後、市長が「3事業者さんとも質の高い相当なレベルのプレゼンテーションでした。ビジネスプランは、事前に資料で拝見していたけれど、プレゼンがとにかく分かりやすくて、多くの方が純粋に応援したいと思える内容になっていました」とお話いただけた事です。「東マジック!」と言って頂けて嬉しかったです。

 

本当に3事業者の方々、6時間、しっかり「伝えること」にしっかりと向かい合って頂いたおかげで、見事にその魅力を伝え切ったと言えるかと思います。プレゼンテーションの構成や視覚資料の使い方、話し方などの技術面でも、短期間で大きな進歩が見られました。これは、各事業者の方々の熱意と努力の賜物です。

 

プレゼンテーションの力

 

今回の経験を通じて、改めてプレゼンテーションの力を実感しました。たった15分という短い時間で、市長も含めた参加者全員が熱心に耳を傾け、そしてほぼ全員が「応援したい」という意思表示をする⋯そう簡単なことではありませんよね。

 

これは、プレゼンテーションが単なる情報伝達ではなく、人々の心を動かし、行動を促す力を持っていることの証明だと言えるでしょう。

 

今後の展望

 

この発表会を皮切りに、3つの事業はいよいよガバメントクラウドファンディングによる資金調達に挑戦します。私は、今回のプレゼンテーションの成功が、資金調達の成功にもつながることを確信しています。以下、3つの発表のクラウドファンディング先です。ぜひ、ご覧ください!

 

株式会社 あづま商事:地域人材活用による高付加価値な空き家管理サービスの実施事業

(ふるさとチョイス)https://www.furusato-tax.jp/gcf/3865 

 

株式会社 SY’sD:農地を蝕む竹を炭に変え土壌改良!川西市の名産ニンニクを作ろう事業

 (ふるなび)https://fcf.furunavi.jp/Project/Detail?projectid=750
 (さとふる)https://www.satofull.jp/projects/business_detail.php?crowdfunding_id=520 

 

一般社団法人 Sasabase:笹部発!多世代寺子屋~教育と観光の融合 里山エデュ・ツーリズム事業

(ふるさとチョイス)https://www.furusato-tax.jp/gcf/3866

 

これらの事業が実際に展開されることで、川西市に新たな活力がもたらされることでしょう。教育と観光の融合、農業振興と環境保護の両立、空き家問題の解決と地域コミュニティの活性化。これらはいずれも、現代の地方都市が抱える課題に対する創造的な解決策ですから!

最後に

プレゼンテーションの力は、単に聴衆を説得するだけではありません。それは、新しいアイデアを生み出し、人々を動かし、社会を変える力を持っています。今回の川西市のガバメントクラウドファンディング発表会は、まさにそのことを証明する機会となりました。

 

私は、これからも多くの方々のプレゼンテーションをサポートしていきたいと思います。そして、一人でも多くの方が、自分の想いや理念を効果的に伝えられるようになることを願っています。

 

プレゼンテーションは、世界を変える力を持っています。あなたも、その力を信じて、自分の想いを伝えてみませんか?

 

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今回の支援も、東流プレゼン理論の3本の柱にそった内容になっています。詳しくは過去のブログを御覧ください。

相手を動かすプレゼンの極意とは「構成と話し方と演出」/プレゼンカンパニー
https://dramatic-presentation.com/constructed-speech-direction/

  
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