高校生プレゼンの最高峰!日本政策金融公庫「高校生ビジネスプラングランプリ」南近畿地区特別企画のコメンテーターとして!

プレゼンプロデューサーとして今年も日本政策金融公庫様が主催している高校生ビジネスプラン・グランプリの南近畿地区特別企画の発表会にコメンテーターとして参加させていただきました。

 

今年で8回目になるコメンテーター!私自身、年末のとても楽しみにしているお仕事の一つです!

高校生ビジネスプラングランプリプレゼン指導者_プレゼンプロデューサー

今年の応募プランの総数はなんと!5151プラン!!

日本政策金融公庫主催「創造力無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ」

 

そのうち、ベスト100以上に選ばれた高校生たちに発表の場を!ということで、日本政策金融公庫の南近畿地区の皆様の熱い思いで取り組まれている素晴らしい特別企画です。

 

今回も他のコメンテーターの方々とはちょっと違ったプレゼンテーションの視点でビシバシ高校生に伝えてあげてください!ということで、お声がけ頂きました。ありがたいことです。

 

今回はベスト100に選ばれたプランは、7つ。さらにベスト20に選ばれたプランは1つ。そして!久々にベスト10に選ばれたプランが1つ!素晴らしい!

 

ベスト10に選ばれた高校生は2025年1月12日に行われる最終審査会(東京大学講堂)でプレゼンテーションが出来るという特典が付いてきます。

 

南近畿地区、久々のベスト10だったので、今回、その高校からアドバイスのお声がけがかかるかな?と思っていましたが、残念ながらお声がけ頂けなかったので、今回のコメントを求められた時に、ガッツリとお伝えさせていただきました。

 

それでは、今回発表された合計9つのプレゼンテーションを簡単にプレゼンの観点で解説していきます!

 

 

西大和学園高等学校(奈良県)「ドッグウィッグで愛情を。人を超えて動物へ。」


岡田さんが個人で考えたプラン。愛犬が闘病生活で脱毛し、散歩中にひどい言葉をかけられたことをきっかけに考えた犬用ウィッグ。

 

プレゼン時間5分32秒。

 

事前にドッグウィッグがコメンテーターにも配られており、イメージが湧きやすかったです。

 

冒頭のプレゼンテーションの入りは、数字から。「88.3%」ペットも家族だと思う、10代のパーセンテージ。

 

つかみとしては悪くないけど、実際のウィッグのストーリーにたどり着くには少し数字が離れているように思います。

つまり…「まぁ、それくらいだよね〜」と思われる想定内の数字。それではもったいない!

 

ただ、そんなことをものともしない、トーンを使い分けたプレゼンは圧巻でした!

 

最初は低いトーンで心を掴む。

 

すぐ実際の愛犬の動画が流れます。ストーリーにグググっと引きもこまれました。(愛犬がこの世を去る…の後に、脱毛していた、介護大変だったとなっていたので時系列がちょっと違っていたのかもしれない)

 

病院やカツラ屋さんに行って働きかける行動力、需要があるのか?の考察力、試行錯誤しながらも、商品化に結びつける素晴らしいものでした。まさに「想い」のプレゼン。トーンの使い分けがダントツで上手で、聴き手を引き付けるプレゼン。

 

ただ私自身がコメントでも話した通り、冒頭の数字を「闘病中のペットと最後まで寄り添いたい」パーセンテージの方が強い引きつけになったと思います。

 

あと時系列がずれると聴き手は「??」となってしまうので、注意したいところです。

 


常翔啓光学園高等学校(大阪府)「サステナブラシ」


グループプレゼン。プラスチックごみの大量廃棄問題から歯ブラシに着目して、サステナブルな歯ブラシをプラン化。

 

プレゼン時間5分53秒。

 

「突然ですが…大事な体の部位はどこ?」から入って掴みはOK。最初のアイスブレイク(大胸筋鍛えてますが…見た目細くてごめんなさい…)も好印象。またしっかりとプレゼンの役割も決められていて聞きやすかったです。

 

1年間6804トン。焼却処分した場合、CO2排出量は250万Kg。この数字はかなりインパクトが強い。

 

この導入でかなり掴まれました。環境問題と健康志向に着目したという流れも素晴らしい。

 

パワポの魅せ方もとても上手。全部見せを避けて、話にあったアニメーションの使い方。9グループの中で一番、パワーポイントを上手に使って息のあったプレゼンテーションでした。

 

ただ他のコメンテーターの方もお話されていましたが、ターゲットが「全人類」だと弱くなってしまいます。

 

せっかくホテルで導入するということで数字を出していたので、SDGsや環境問題などに興味の高いホテルでPRも兼ねて、まずは高級ホテルなどで使用してもらう!…でも良かったかもしれません。

 

足りなかったのは、デザイン性の所。せっかくパワポを使うので、もっとどのようなデザインなのか、その部分がどうなるのか?などの取り換えの方法などが説明できていたら最高でした!

 


五條市立西吉野農業高等学校(奈良県)「葛の栽培 奈良県発祥の有用植物 文化に新たな価値を」


グループプレゼン。葛粉や葛根湯の原料となる葛を安定的に供給する栽培方法を確立!

 

プレゼン時間5分35秒。

 

あの独特のテレビショッピングで有名な「夢グループ」をもじった「夢まぼろしグループ」の設定でプレゼンテーションが進んでいきます(笑)

 

しかも体格のよい生徒さんの方が女性アシスタント役で、その時点で私は爆笑してしまいました(笑)

 

プレゼンスライドがダサい!と思ったのも、夢グループに寄せていたから?どっちなんでしょうか(笑)

 

内容は農業高校ならではのしっかりとしたモデル1〜モデル4まで、トライ・アンド・エラーを繰り返し、ちゃんと育成成功までこぎつけている素晴らしいものでした。

 

「社長〜すごーい!高収益嬉しい!」の後に、セリフを間違えて、地声に戻るところとか、私のツボにハマってしまって、プレゼン内容が薄れてしまったのが、残念(笑)

 

せっかく葛の栽培方法が分かったので、あとはどう売るのか?という所が、少し足りなかったので、ここをしっかり打ち出せていたらベスト10になるプランになったのでは?と思ったプレゼンでした。

 


S高等学校(大阪府)神社を未来に繋げるアプリ「Kamimi」


森田さん個人でのプラン。年間約100社の神社が消滅している現実を知り、神社と推し活をかけ合わせたアプリを考案。

 

プレゼン時間6分ちょうど。

 

実は事前に同じようなアプリがないかを調べていたら、クラウドファンディングで取り組んでいるアプリがありました。

 

しかし、目標金額の1%程度…。

 

システムエンジニア、TVディレクターや民俗学者、動画制作会社の方々がプロジェクトチームに名を連ねて作ったプランが全く世の中に響かなかったのは何故か?を考えると、この森田さんの伝えているポイント「魅せ方」や「伝え方」なのではないかと思いました。

 

芸能人を推す。神様を推す。どちらも同じと捉えることで、親近感が湧く。

 

しかもすでに3つの神社に実装されていて、1.3万人がアクセスしているという実績付き。またKamimiポイントで神社周りの活性化も図るという考え方は高校生らしい自由な発想で良かったです。

 

ただ、もっと具体的に…例えば、芸能人の●●さんの情報、●月●日生まれ、好きな食べ物は●●…みたいな推し活と。

 

◯◯ミコトの情報、◯◯の神様、日本書紀には…みたいな神活アプリと比べて見せるとよりイメージが付きやすかったかなぁと!

 

あと、ずっと資料を読みながらのプレゼンでした。

 

読むと思いは伝わりません。「伝え方」がポイントになるプレゼンなので、もう少しプレゼンの伝え方も頑張りましょう!

 


奈良県立商業高等学校(奈良県)日常使いの防災グッズ「どこでもストック&かまどベンチ」


上田さん個人でのプラン発表。「災害は家にいる時に起こる」とは限らない。どこでもストック、かまどベンチは自衛官からもお墨付き!

 

プレゼン時間6分30秒。

 

このようなプレゼンコンテストでは時間厳守。30秒聴き手の時間を奪ったと考えましょう。

 

しかしながら、地震大国日本において、とても必要なグッズの開発で、セグメント、ターゲティング、ポジショニングなど、しっかり、ポイントを押さえてのプレゼンテーションは圧巻。

 

衛生用品と携帯トイレをいれることで差別化。

 

そして、新車成約記念の商品として利用してもらっていたり、自衛隊からお墨付きをもらうなど、しっかり販路も確保していて素晴らしかったです。アニメーションも上手に使っていて、とても見やすい資料でした。

 

ただ、話し方。声はとても聞き取りやすいですが、語尾が伸び、語尾が上がる癖がありました。

 

そうなると聴き手は、その癖が耳についてしまいます。耳につく…ということは、その間、聴き手の脳にストレスが与えられている…ということなので、できる限り、気を付けていきましょう!

 


和歌山県立熊野高等学校(和歌山県)すべての命を救うAEDハートフルシート〜全世界へ〜


2名によるプレゼンテーション。AEDの使用率は男性より、女性の方が低いというところに着目して、素肌が周囲から見えないようにするシートを開発。

 

プレゼン時間6分20秒。

 

救急救命が女性だったら、どうしますか?というツカミは秀逸。

 

その上、AED使用率、男性高校生=83.2%、女子高校生=55.6%という具体的な数値を出し、ジェンダーギャップを無くしたい!という思いからプロジェクトを作ったことに感動しました!

 

しかも、すでに全国に広がっている活動していて、商標もしっかり取っていて、素晴らしい実行力と取り組み!私の中では十分、ベスト10入りして良いプランなのではないかと思いました。

 

ただ、コメントの時にもお伝えしましたが、もっと使い手目線、特に、ジェンターギャップを無くしたいということであれば、男性的から見たプレゼンの見せ方が出来れば、最高じゃないかと。(プロジェクトチームが全員女性?なのかな?)

 

その視点が追加で加われば、もっと取り扱いたい!という行政などが増えるような気がします。

 

男性「(服を脱がさないといけないのか…どうしよう…他人の目もあるし…)」から始まって「(あ!ハートフルシートがある!これをこう被せて…こうすれば素肌が見えずに済みそうだ…)」という心の葛藤や使い方が動画であれば、完璧でないかと思います。

 

20秒の時間オーバーとパワポの魅せ方が改善点。

 

企業や行政などに導入してもらうのであれば、イラスト屋のフリー画像は止めましょう。

 

急に陳腐に見えてしまいますし、幼く見えてしまいます。シンプルに伝えたいことを文字で伝える。写真や動画で見せる。それで十分だと思います。

 


大阪府立大阪ビジネスフロンティア高等学校(大阪府)脱毛症の方が人前に出られるようにするためのもみあげシール


2名でのプレゼンテーション。幼い頃に脱毛症を発症した発表者が自分の体験を通して開発したもみあげシール。

 

プレゼン時間6分20秒

 

発表者の宮脇さん。小さい頃に発症した脱毛症。幼い頃から傷ついてきた経験を元に考えたプラン。

 

もみあげがないとウィッグだけだと不自然に見えるというところから着想を経て、たどり着き、実際に、脱毛症でやなんでいるコミュニティの人たちとあべのハルカスの屋上にてファッションショーを行うなど、精力的で、あとはもう、どう広げるか…という所まで来ている内容。

 

ヘアロス…脱毛症などで髪の毛を失ってしまった状態の事…など、専門用語の時もきちんと説明もされていました。

 

また写真を使用する際も、写真の利用許可済み等、細かいところまで、チェックをしていることも好感が持てました。

 

宮脇さんの想い、宮脇さんの言葉、それを支える仲間たちの想いが伝わるプレゼンテーションでした。お父様と一緒にもみあげシールを製造しているというところもご家族で取り組んでいて好印象。

 

ただ、冒頭の相方の誕生日のくだりを除いて20秒オーバーしているので、それも含めると40秒近くオーバーしていることになります。

 

あと、コメンテーターの質問に被せるように回答するのは、印象が悪いので(答えを準備していて早く答えたいという気持ちはわかりますが…)質疑応答の受け答えは、しっかり話を聴いて、誠実に回答するのが良いでしょう。

 


西大和学園高等学校(奈良県)社会課題解決の新事業「大学発ベンチャー基盤型アライアンス」ベスト20


長井さん個人でのプレゼンテーション。今回、リアルでの参加が出来ないとのことで動画での発表。大学教員と企業を直接繋ぐシステムを作る。

 

プレゼン時間6分40秒

 

今までになかった着眼点で、今、日本での深刻な問題である企業数が減っていることや大学教員や企業が関わることで様々な課題解決ができていく!

 

そして、起業が負担少なく出来るということをプラン化(経済成長、仲介手数料などで収入確保)したことが評価されたのではないかと思いました。

 

また実際にシステムを作り上げて、起業をサポートしているというのは申し分ない実績です。

 

ただプレゼンテーションとしては改善が多いものでした。

 

まず時間。一人語りで40秒オーバー…改善しましょう。

 

また、すでに認知されたものをプレゼンする場合や、このシステムを利用したいというところでプレゼンする場合であれば問題ないですが、そうではない、初見の聴き手に対してのプレゼンとしては、情報量が多く、専門用語が多すぎました。

 

また文字のプレゼン資料の文字の量も多いため、ほとんどの人は混乱して、情報をざっくりとしか把握できなかったのではないか?と思います。

 

あくまでも日本政策金融公庫さんからベスト100、ベスト20、ベスト10に選ばれるのは、文章での資料のため、内容は金融のスペシャリストの目にとまる素晴らしいものだったのでしょう。

 

しかし、それを多くの人や知らない人や知ってほしい人に「伝える」には綿密な構成、戦略、見せ方、伝え方が大切なので、ぜひ、そこにも気を配っていきましょう。

 


智辯和歌山高等学校(和歌山県)「らくSASコルセット睡眠時無呼吸症候群で苦しむ人をゼロにする」ベスト10


2名でのプレゼンテーション。父のいびきがうるさくて一緒に寝ることが苦痛!そこで睡眠時無呼吸症候群(SAS)を知り、改善する方法はないのか?に着目したコルセット。

 

プレゼン時間6分40秒

 

ベスト10に選ばれたということは、まぎれもない事実で、素晴らしいプランであるということも証明済み…そして、東京大学に集まる、他9プランも素晴らしいプランなんです。

 

となると、あとは「プレゼンテーション」だけなんです。

 

内容は、SAS治療の最後の砦が体位療法であることに気づいて、腰痛を誘発せず、寝返りを阻害しないものを…と考え、そこから、腰当ての試作品を作り、理学療法士の協力、実証実験、医師からも腰痛を発症する患者さんにも有効とお墨付きをもらうところまで出来ているのだから、ほぼ完璧なプラン!

 

またビジネスモデルもしっかり出来ていて、実用新案権も取る予定にしていることもあり、ベスト10は頷けます。

 

資料の中の競合優位性もわかりやすく、動画もわかりやすいので説得力も十分でした。

 

ただ、ここもプレゼン時間。

 

40秒オーバーということは、最後のこのプランにかける思いの時間(40秒)がほぼ全部伝えられないことになります。時間配分はとても大事です。

 

それから、スライドの1枚目、プレゼンテーションにおいて、とても重要な1枚目なのに、チーム名(カロリーメイトブルーベリー味)が一番に目立っているのは即修正が必要だと考えます。

 

医療分野のプレゼンということもあり、やはり専門用語が多い。文字が多い。加えて、TAM、SAM、TM??数字の部分で出てきて、完全に聴き手を置いてけぼりにしてしまった感もあります。

 

また、三角柱にたどり着いたという事は、ものすごい発見なはずなのに、そこがストーリーの中で伝えられてなかったため、プレゼンテーションに引き込まれなかったので、その伝え方も考える必要があります。

 

そして、最後の写真…縦横比がおかしく、横に伸びてる、解像度低い…これで、あっという間に安っぽいプレゼンテーションになってしまいます。「資料の全部見せ」など、細かい点がもったいない所が多く、伝え方においてまだまだ改善が必要です。

 

コメンテーターの皆様から多くの質問も出ましたが、本番は、多くて2名しか質問が出来ません。となると、不完全燃焼でプレゼンを聴くことになります。

 

今回出た質問は必ず、本番当日の審査員の方々も感じた ポイントだと思いますので、すぐプレゼンにフィードバックしましょう!

 

質疑応答はプレゼンにおいて、とても重要なポイントです。質問を促すなど、6分内でしっかり伝えるようにしましょう!

 

本番!頑張ってください!!

まとめ

本当に9組とも素晴らしいプランで、素晴らしいプレゼンテーションでした!そして、日本政策金融公庫南近畿地区の皆さんの愛情もたくさん感じる発表会でした。

 

私、厳しいこと言ってますが、じゃあ、私達世代の社長がこんなプレゼンテーションができるのか?と言われたら「全く出来ない」社長が数多いるでしょう(笑)

 

高校生たちが日本政策金融公庫さんにお墨付きをもらえたプランに加え、大勢の人前でプレゼンテーションまで出来るんですから、日本の未来は、まだまだ捨てたもんじゃあないですよ!

 

来年の高校生ビジネスプラングランプリに向けて、プレゼンテーションの本質を学生に教えたい!ベスト100の発表会に備えて、学生にプレゼンテーションを教えてほしい!という学校様、いらっしゃいましたら、ぜひ、LINE公式からお問い合わせください!私で良ければ、いつでも馳せ参じます!

 

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大阪日日新聞社の記事でも取り上げて頂いておりますね!
実装可能プラン続々 高校生ビジコン開催 年々レベル向上

また来年も楽しみにしています!

 

 

コロナ禍前の記事ですが、以前の高校生ビジネスプラングランプリの解説記事もぜひ!

高校生ビジネスプラン・グランプリ(南近畿地区特別企画)ベスト100入賞発表会2019徹底分析

  
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